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「親なきあと」の不安を安心に変える〜大切な子を守るための相続と「家族信託」〜

こんにちは。マミヤ行政書士事務所です。

当事務所には、日々さまざまな相続や生前対策のご相談が寄せられます。その中でも、特に親御様からの切実な思いとして多く伺うのが、「自分たちがいなくなった後、この子はどうやって生きていくのだろうか」という、いわゆる「親なきあと」の問題です。

障がいをお持ちのお子様、ひきこもりがちで自立が難しいお子様、あるいは金銭管理に不安のあるお子様がいらっしゃるご家庭では、親の老後や相続に対する不安は計り知れません。

「財産を残してあげたいけれど、うまく管理できるだろうか」
「悪い人に騙されて財産を失ってしまわないだろうか」
「他の兄弟姉妹に過度な負担をかけてしまうのではないか」


こうした不安を解消し、親御様の「想い」と「財産」を確実にお子様の未来へ繋ぐための画期的な方法として、近年大きな注目を集めているのが「家族信託」という仕組みです。

今回のコラムでは、親なきあとの子の相続におけるリスクと、それを解決するための「家族信託」の活用法について、マミヤ行政書士事務所が分かりやすく解説いたします。

1.「親なきあと」に直面する相続の現実とリスク

もし、何の対策もせずに親御様が亡くなられた場合、残されたお子様にはどのようなリスクが待ち受けているのでしょうか。主に以下の3つの問題が発生しやすくなります。

遺産分割協議が進まない

親が亡くなると、相続人全員で「誰がどの財産をどれだけ引き継ぐか」を話し合う「遺産分割協議」を行う必要があります。しかし、お子様に重度の知的障害や精神障害、認知症などがあり、法的に有効な意思表示ができない場合、そのままでは協議を成立させることができません。結果として、親の銀行口座が凍結されたまま解約できず、生活費が引き出せなくなる事態に陥ります。

財産管理ができない・詐欺の被害に遭う

無事に財産を相続できたとしても、その後の「管理」という大きな壁が立ちはだかります。ご自身で計画的にお金を使うことが難しい場合、あっという間に生活資金を使い果たしてしまったり、悪質な詐欺や投資話に騙されて全財産を失ってしまったりするリスクが常に付きまといます。

他の兄弟姉妹への重い負担

「長男に多めに財産を残すから、次男(サポートが必要な子)の面倒を見てほしい」と口頭でお願いするケースは少なくありません。しかし、これには法的な拘束力がなく、長男の善意に頼るしかありません。また、長男自身にも家庭があり、何かあった際には長男の配偶者や子供との間でトラブルになる可能性も否定できません。

2.従来の対策(遺言・成年後見制度)とその限界

こうしたリスクを防ぐため、従来は「遺言」や「成年後見制度」が利用されてきました。しかし、親なきあとの対策としては、それぞれに限界があります。

  • 遺言の限界:
    遺言書を作成すれば、「誰にどの財産を渡すか」は明確になります。しかし、通常の遺言の効力は「財産を渡す(所有権を移転させる)ところ」までです。渡した後の財産について「お子様のために毎月少しずつ使ってほしい」といった細かな管理方法を法的に強制し続けることは困難です。
  • 成年後見制度の限界:
    判断能力が不十分な方を守るための強力な制度ですが、原則として「本人の財産を減らさないこと(現状維持)」が最大の目的となります。そのため、家庭裁判所の監督下におかれ、財産の使い道が制限されます。
    例えば、「親族での旅行に連れて行ってあげたい」「少し高価だが本人が喜ぶ趣味の品を買ってあげたい」と思っても、本人の生活に直接不可欠でない支出とみなされると許可が下りないケースがあります。また、専門家が後見人に選任された場合、本人が亡くなるまで毎月一定の報酬が発生し続けるデメリットもあります。

3.希望の光となる「家族信託」とは?

遺言や成年後見制度のデメリットを補い、親御様の願いを柔軟に叶えることができるのが「家族信託」です。

家族信託とは、一言で言えば「信頼できる家族に自分の財産を託し、特定の人のために管理・運用・処分を任せる契約」です。主に以下の3つの立場で成り立ちます。

  • 委託者(財産を託す人):親
  • 受託者(財産を管理する人):元気な兄弟姉妹、親戚、管理用の一般社団法人など
  • 受益者(財産から利益を受ける人):サポートが必要なお子様


例えば、「親(委託者)」が「長男(受託者)」に実家や預貯金を託し、「次男(受益者)」のために使ってほしい、という信託契約を結びます。
法的な財産の名義は長男に移りますが、その財産はあくまで「次男のためだけ」に使わなければならないという法的義務を長男に負わせることができます。

4.「親なきあと」に家族信託を活用する4つの絶大なメリット

なぜ、親なきあと対策に家族信託が選ばれているのでしょうか。そこには4つの大きなメリットがあります。

メリット:柔軟な財産管理と生活サポートが可能

成年後見制度のような画一的な制約を受けないため、契約で定めた目的の範囲内であれば、受託者(兄弟など)の裁量で柔軟に財産を使うことができます。本人のQOL(生活の質)を上げるための旅行費用や、手厚いケアを受けられる施設への入居費用など、親御様が生きていた頃と同じような温かいサポートを継続できます。

メリット:親の認知症対策も同時にできる

家族信託は、親御様が元気なうちからスタートさせることができます。万が一、親御様自身が認知症になってしまっても、すでに受託者に財産が託されているため、口座が凍結されることなく、親御様の介護費用やお子様への生活費の給付を途切れさせることなく続けることができます。

メリット:「子が亡くなった後の財産の行き先」まで指定できる

これが遺言には真似できない、家族信託の大きな特長です(受益者連続型信託)。
例えば、「最初は次男のために財産を使い、次男が亡くなった時に残った財産は、これまで面倒を見てくれた長男(またはその子供)に渡す」あるいは「支援団体に寄付する」といったように、資産の承継先を親御様があらかじめ指定しておくことができます。(他の相続人の遺留分や法律上の期間制限に配慮して設計します)

メリット:受託者を監督する仕組みを作れる

「いくら信頼している長男でも、大金を任せきりにするのは少し不安」という場合は、「信託監督人」や「受益者代理人」という立場を設けることができます。当事務所のような行政書士等の専門家が就任し、長男が契約通りに次男のために財産を使っているかを定期的にチェック・サポートすることで、より確実で安心な運用が可能になります。

5.対策は「親御様が元気なうち」にしかできません

家族信託は非常に優れた制度ですが、絶対の条件があります。
それは「親御様(委託者)に十分な判断能力があるうち(認知症などになる前)にしか契約できない」ということです。

「まだまだ元気だから」「もう少し先でいいだろう」と先延ばしにしているうちに、突然の病気や認知症の発症によって意思能力が失われてしまうと、もはや家族信託を組むことはできず、選択肢が大きく狭まってしまいます。

親なきあと問題への対策は、早すぎるということはありません。「不安だな」と感じたその時が、準備を始める最適なタイミングです。

6.終わりに:マミヤ行政書士事務所が伴走します

「親なきあと」の問題は、ご家庭ごとに抱える事情や財産状況、頼れるご親族の有無などが全く異なります。インターネット上のひな形をそのまま使えるような単純なものではありません。

マミヤ行政書士事務所では、まず親御様が抱えている「不安」や、お子様に対する「こうしてあげたいという想い」をじっくりとお伺いすることから始めます。

その上で、家族信託が最適なのか、あるいは遺言や任意後見契約との組み合わせが良いのか、ご家族の状況に合わせたオーダーメイドの解決策をご提案いたします。また、不動産登記が必要な場合は提携する司法書士と連携するなど、関係士業と力を合わせて最適な形をサポートいたします。

大切なお子様の未来を守るために、親御様ができる最後のプレゼント。
一人で悩まず、まずはマミヤ行政書士事務所へお気軽にご相談ください。あなたの不安を「安心」に変えるお手伝いをさせていただきます。