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農地を相続する場合の手続きや流れについて行政書士が解説します

 親や親族が亡くなり、いざ相続が発生した際、遺産の中に「農地」が含まれていると、一般的な宅地の相続とは異なる特殊な手続きが必要になります。「農地を相続したけれど、農業を継ぐつもりはないし、どう手続きを進めればいいかわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

 農地は、我が国の食料供給の基盤となる重要な財産であるため、農地法という法律によって厳格に守られており、その取り扱いや手続きには特有のルールが存在します。

 本コラムでは、農地を相続した場合の具体的な手続きの流れや、相続後の活用・処分の選択肢、注意すべきポイントについて、マミヤ行政書士事務所がわかりやすく解説いたします。

 

1. 農地相続の基本的な流れ
農地を相続した際の手続きは、大きく分けて以下の4つのステップで進みます。

① 相続人の確定と財産(農地)の調査
まずは、亡くなった方(被相続人)の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本等を収集し、誰が法定相続人になるのかを確定させます。それと同時に、被相続人が所有していた財産を調査します。
農地の場合、固定資産税の納税通知書や名寄帳(なよせちょう)を確認するほか、法務局で登記事項証明書を取得し、地目(土地の種類)や面積、権利関係を把握します。また、登記上の地目が「畑」や「田」でなくても、現況が農地であれば農地法の適用を受ける点には注意が必要です。

② 遺産分割協議
遺言書がない場合、相続人全員で話し合い、誰がどの財産を引き継ぐのかを決める「遺産分割協議」を行います。農地を誰が相続するかが決まったら、その内容をまとめた「遺産分割協議書」を作成し、相続人全員が実印で押印し、印鑑証明書を添付します。

③ 法務局での相続登記(名義変更)
農地を引き継ぐ人が決まったら、法務局で所有権移転登記(相続登記)を行います。
ここで非常に重要なのが、2024年(令和6年)4月1日から相続登記が義務化されているという点です。相続(遺言を含む。)により不動産の所有権を取得した相続人は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に正当な理由がないのに登記申請を行わないと、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。

④ 農業委員会への届出(農地法第3条の3の届出)
農地を売買等で取得する場合は、事前に農業委員会の許可が必要ですが、相続によって農地を取得する場合は「許可」は不要です。 しかし、誰が新たな所有者になったのかを農業委員会が把握する必要があるため、「届出」が必要になります。
この届出は、農地の権利を取得したことを知った時点からおおむね10ヶ月以内に、その農地がある市町村の農業委員会へ提出しなければなりません。届出を怠った場合や虚偽の届出をした場合は、10万円以下の過料に処される規定があるため、忘れずに行う必要があります。

 

2. 農地を相続した後の選択肢
農地の名義変更と農業委員会への届出が無事に完了した後、その農地をどのようにしていくかを決める必要があります。主な選択肢は以下の4つです。

①自分で農業を続ける(または始める)
相続人自身がそのまま農業を引き継ぐ、あるいは新たに農業を始めるという選択肢です。

②他人に貸す
自分では耕作できない場合、近隣の農家や農業法人に農地を貸し出す方法です。個人間で貸し借りを行うほか、「農地中間管理機構(農地バンク)」を活用して貸し出すことも推奨されています。農地バンクを通すことで、賃料の未払いリスクを回避しやすくなるなどのメリットがあります。

③別の用途に活用する(農地転用)
農地を宅地や駐車場、資材置場などに用途変更することを「農地転用」といいます。ただし、すべての農地が転用できるわけではありません。農地の優良性や周辺状況(農業振興地域に指定されているか等)によって厳格な基準があり、農業委員会の許可(または届出)が必要です。

④売却する・手放す
農地のまま他人に売却する場合は、買い手側が一定の要件(農家であること等)を満たし、農業委員会の許可を得る必要があります。そのため、買い手を見つけるハードルは高めです。
また、2023年(令和5年)から始まった「相続土地国庫帰属制度」を利用し、一定の要件を満たした上で国に土地を引き取ってもらうという選択肢も増えました。ただし、審査手数料や10年分の土地管理費に相当する負担金が必要となります。土地の状況や形状によっては、要件を満たさず引き取ってもらえない場合もあります。事前に行政書士にご相談ください。

 

3. 農地相続における注意点
農地を相続する際に、特に気をつけておきたいポイントをまとめました。

①現況優先の原則
登記簿上の地目が「山林」や「雑種地」であっても、現地で実際に農作物が栽培されていれば、農地法上の「農地」として扱われます。この場合、農業委員会への届出等の手続きが必要になります。

②期限のある手続きに注意
前述の通り、相続税の申告(10ヶ月以内)、農業委員会への届出(おおむね10ヶ月以内)、そして法務局での相続登記(3年以内)など、期限が設けられている手続きが複数あります。期限を過ぎるとペナルティが科される恐れがあるため、スケジュール管理が重要です。

③農地の放置によるリスク
「自分は使わないから」と農地を耕作放棄してしまうと、雑草が生い茂り、害虫の発生や不法投棄の温床となるなど、近隣トラブルの原因になります。また、遊休農地として農業委員会から指導・勧告を受けると、固定資産税の負担が重くなる(優遇措置が外れる)ケースもあります。

 

4. おわりに
農地の相続は、一般的な不動産の手続きに加えて、農業委員会とのやり取りや農地法特有の制限が絡むため、専門的な知識が求められます。「役所に行く時間が取れない」「手続きが複雑で何から手をつけていいかわからない」「相続した農地を転用して活用したい」といったお悩みを抱える方は少なくありません。

マミヤ行政書士事務所では、遺産分割協議書の作成から、面倒な戸籍収集、そして農業委員会への各種届出や農地転用許可申請の代行まで、農地相続に関する様々な手続きをサポートする専門家です。(※登記申請については司法書士と、相続税申告については税理士と連携してワンストップで対応いたします。

農地の相続手続きやその後の活用方法についてご不安な点があれば、お一人で悩まずに、まずは一度、マミヤ行政書士事務所にご相談ください。状況に応じた最適な解決策をご提案いたします。